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第1部 相続税一般
- 1.相続とは
- 相続とは、人の死亡によって死亡者(被相続人)に属した財産上の地位を、法律の規定または死亡者の意思(遺言)の効果として、特定の者に承継させることをいう。
- 2.相続税の納税義務者
- 原則として相続または遺贈により財産を取得した個人(相続税法§1の3)。 個人には自然人の外、みなし個人(人格なき社団・ 財団、公益法人等)が含まれる場合がある
- 3.相続人、相続分
- (1)法定相続人(民§886~890で規定)
- ・ 子
- ・ 父母、祖父母
- ・ 兄弟姉妹、甥、姪
- (2)法定相続分(民§900で規定)
- 4.相続税の納税までの流れ
- (1)相続前の事前対策
- ・ 相続財産の把握・ 検討、相続対策実施
- ・ 相続人確定
- ・ 相続税額の概要把握
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(2)相続発生
- (3)税務署へ相続税の申告書提出・ 納税
- ・ 相続の開始(被相続人の死亡日)を知った翌日から起算して10ケ月以内に申告する。
- ・ 遺産分割実施
- ・ 税務当局による、申告に対する受諾、調査、否認が行われる。
一定の申告書は調査の対象となる。
場合により、修正申告→追徴税支払い。または、修正申告→更正処分→異議申立→審判→訴訟というケ-スもある。 - ・ 申告書提出後に、申告内容に誤りがあることに気づいたときは、修正申告、更正の請求、嘆願書の提出が可能となる。
- (4)更正の請求
- ①確定した相続税額の減額請求をするには、「更正の請求」を行う。
- ②申告期限から1年以内に請求する。この更正の請求により、不動産等の相続税の減額請求も可能である。
- (5)嘆願書の提出
- ・ 更正の請求申告提出期限経過後は、税務署に「嘆願書」を提出して相続税の減額請求も可能である。
- 5.各人別相続税の計算
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(1)全体相続財産の評価
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(2)みなし相続財産の加算(+)
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(3)非課税財産、葬式費用、債務の控除(-)
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(4)相続前3年以内の贈与財産の加算(+)
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(5)全体課税価格の合計(1+2-3+4)
- (6)全体基礎控除額の計算
- ・ 基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
例・・・法定相続人が4名だとすると、
5,000万円+1,000万円×4名=9,000万円 - ・ 課税価格が基礎控除額以内なら相続税はかからない。上の例では、9,000万円以内なら相続税はかからない。
- ・ 基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
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(7)全体課税遺産総額((5)-(6))
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(8)課税遺産総額を各人の法定相続分割合で計算
(注)実際の取得割合ではない。
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(9)各人の相続税額の計算(仮計算)
(8)の各人取得割合をもとに相続税速算表で、各人の相続税を算出する
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(10)全体相続税総額の算出
(9)の各人の相続税の総額
- (11)各人の相続税額の計算
- ①各人の実際の遺産取得割合に応じて、(10)の相続税総額をもとに各人の相続税額を算出する。
- ②つぎの人以外の相続人には、①の相続税額に20% を加算する。
- ・ 配偶者・ 親・ 子供・ 子供の代襲相続人
- ③つぎの税額控除をする。これにより、各人の相続税額が確定する。
- ・ 配偶者相続税軽減・ 未成年者控除・ 贈与税控除・ 障害者控除・ 相次相続控除・ 相続時精算課税にかかる贈与税控除・ 外国税額控除
- 6.相続税の課税範囲
- (1)相続税課税対象財産
- ①原則
現金、預金、有価証券、土地、建物その他金銭に見積もることができるもの - ②相続税法(§3,4.7,8外)上のみなし相続財産
経済的にみて相続や遺贈で財産を取得したものと同じ効果がある場合に、相続や遺贈により取得したものとみなして相続税の課税財産とされる。- ・ みなし相続財産を相続人が取得したときは相続により取得したものとし、相続人以外の者が取得したときは遺贈により取得したものとされる
- ・ みなし相続財産は相続財産ではないので遺産分割の対象にはならない。また、相続放棄をしても取得できる。
- ・ 例・・・一定の生命保険金、退職手当金その他
- ③民法(§903.904)上のみなし相続財産
共同相続人の中に被相続人から、特別受益、すなわち、- ア、遺贈を受けた者
- イ、婚姻や養子縁組のために贈与を受けた者
- ウ、その他生計の資本として贈与を受けた者
特別受益者については、自己の相続分(法定相続分または指定相続分)からこの特別受益額を控除したものが具体的な相続額となる。 - ④生前贈与加算制度(相続税法§19)
相続開始前3年以内に被相続人から受けた贈与については相続財産に加算される。
評価額は贈与時による。この贈与を受けた人は贈与税と相続税の両方が課税されるので、相続税の計算では贈与税額控除が適用される。 - ⑤相続時精算課税制度(相続税法§21-9,15,16)
生前に贈与された財産2,500万円までは贈与税を非課税とするが、相続税の面では、その贈与財産と相続財産を合計したもので相続税を計算するという制度である。
この制度を使えるのは、- ア、贈与者は贈与時の年の1月1日現在で満65歳以上の親で、
- イ、受贈者は贈与者の推定相続人たる子で、贈与時の年の1月1日現在で20歳以上の者に限られる。
- ⑥非課税税財産(相法§12,租法§70)
- ・ 墓地、墓石、仏具等
- ・ その他
- ①原則
- 7.相続税についての特例
- (1)小規模宅地等についての特例(措置法§69の4)
居住用宅地、事業用宅地、不動産貸付用宅地等で建物又は構築物の敷地については、
200㎡までの部分は評価額が一定額減額される。 - (2)その他の特例
- 8.物納
- (1)物納条件
つぎの条件がある。- ・ 物納財産が規定の財産であり、規定の順位によっていること
- ・ 金銭で納付するに困難な状態にあること
- ・ 物納申請書を申告納付期限までに税務署に提出すること
- ・ 物納適格財産であること
- (2)物納不適格不動産
つぎのような不動産は物納できない。- ①担保権設定のある不動産及びこれに準ずる不動産
- ②権利の帰属について係争のあるもの
- ③境界が不明な土地
- ④無道路地で民法210条の囲繞地通行権の成立が不明な土地
- ⑤借地であるが借地人が不明な土地
- ⑥他人所有地と一体的に利用されている土地
- ⑦共有地
- ⑧耐用年数経過後の建物(通常使用可能であればよい)
- ⑨敷金返還債務その他の債務を国が承継するような不動産
- ⑩その不動産の管理・ 処分に、納税額より過大な費用を要する不動産





